認定者インタビュー「ちいさなログカフェ ふらわ 」
認定者インタビュー ちいさなログカフェ ふらわ
2020年1月8日 [認定者インタビュー] [minoru]
★開業10年。地域に根ざしたログカフェ
富良野市山部の国道沿いにあるログカフェ「ふらわ」
店内は木に囲まれた落ち着いた雰囲気で、非常に心地よいゆっくりとした時間が過ごせます。
お店がある山部は、富良野の中心部から約10km離れた場所。
芦別岳の麓にあり、市内でも特に自然が豊かで農業が盛んな地域です。
店長の鏡味(かがみ)さんは愛知県出身で、大学卒業後に母親の故郷だった山部に移住しました。
幼い頃から夏休みのたびに山部に遊びに来ていたこともあり、文字通り第2の故郷と言える土地。
愛着もあったので「住める事になって嬉しい」と笑顔で話しています。
移住後、家庭菜園…と呼ぶには大きすぎる土地で作物を育てたり、豊かな自然や四季の変化を肌で感じたり。
その中で「自分としても美味しいものが食べたいし、それを提供したい」と考えるようになりお店をオープンしました。
「最初は何も考えていなかった」と笑ってはいますが、取材時(令和1年12月時点)で開業10年。
今では地元に根付いた飲食店として親しまれています。
★自分が食べたいから作ったこだわりのジャム
メイドインフラノに登録した「ラズベリージャム」も、鏡味さん自身の好物…という単純な理由がきっかけで作り始めたもの。
飲食店を営みながら自身の畑で好物のラズベリーを植え、生産を始めました。
自家栽培のラズベリーは無農薬。
その他の作物も化学肥料は使わず、自然農法に近い形で栽培しています。
ジャムのレシピは、ラズベリーを砂糖で煮詰めただけのシンプルなもの。
しかし、流通工程がほとんどないため、新鮮で安心・安全な美味しいジャムが作れる!と鏡味さんは語ります。
実際に食べてみると、濃い目の味ですが、同時に爽やかな甘酸っぱさでクセになる味。
そのまま食べても美味しいですが、アイスクリームのトッピングや、チーズケーキの材料などにも使えそうです。
この他にもお店で提供される食材のほとんどが自家製や近隣の農家さんから仕入れた山部食材ばかり。
だからと言って、地産地消に強いこだわりがあるわけではなく、新鮮で美味しい商材を選んでいたら、自然と地元のものが揃ったそうです。
★生産できる限界と繁忙期のジレンマ
身近な食材を使い、自然な形で良いものを作る…というと響きは良いですが、同時に大きな課題もあります。
一番は、ラズベリー収穫と店舗営業のピークが同じ時期に重なること。
さらに、自然農法に近い形で栽培をしているために収穫量が一定ではなく、生産量が安定しないことです。
全て手作りのため一度に大量生産をすることも出来ず、だからと言って外部工場へ委託しては意味がありません。
原料のラズベリーを仕入れて作れば量の問題は解決できるかもしれませんが、それでは「ふらわの味」とは違うものになってしまいます。
商品の展開も、ブラックベリーやハスカップ、さくらんぼ等を使ったジャム。
さらにスイーツなどに加工するアイディアはありますが、今は店舗営業分の確保で精一杯。
量産をするには十分な量は無く「お店に来てもらえれば、色々と食べてもらうことはできるのですが…。」と、ジレンマは隠せないようです。
現在は、お客様の反応を見ながら試行錯誤を繰り返している毎日。
店舗営業と並行して、夏場に収穫・保存しているラズベリーを加工しています。
★次のメイドインフラノに向けて
現段階ではラズベリージャムの登録だけですが、今後は登録数を増やし、富良野の魅力あるコンテンツ作りに貢献したいと考えている鏡味さん。
実は、お店に行くとメイドインフラノに登録はしていないものの、富良野産の魅力あるメニューに囲まれています。
その一つが「ふらのオムカレー」
ふらわでは、近隣の農家産から仕入れた新鮮野菜を使い、さらにラズベリージャムをトッピングしたデザートが付いてきます(オムカレーでデザート付きは珍しいです)
一部のコアなファンのために…と、ジョロキア(これも富良野産)を使った激辛カレーを出すなどの遊び心も♪(食べるラー油の開発…というアイディアも!)
夏場には多くの観光客で賑わっていますが、ピークを過ぎると落ち着くので、わざと時期をずらしてのんびりしにいくのも良いでしょう。
普段食べている食材の生産地を実際に見に行く…というのも新たな発見に繋がる事があります。
ふらわでは、生産から商品の提供まで一貫して行うからこそ、出せる味があると言います。
実はメイドインフラノの登録事業者で、栽培・加工・販売・調理提供まで行っている所はなかなかいません。
お客様の反応をダイレクトに受け止めることができ、それを商品開発に活かせるのは実店舗がある強みと言えるでしょう。
鏡味さんも「ラズベリージャムだけだと、面白くないですからね」と言っていました。
機会があれば、実際に店舗に足を運び、未登録のメイドインフラノ商品を探したり、お店の人や地元の人と話をしてみるのも楽しいでしょう。
もしかしたら、あなたのアイデアが「次のメイドインフラノ」を作るかもしれません。