認定者インタビュー「halu CAFE」
第17回認定 halu CAFEインタビュー
2026年8月14日 [お知らせ] [Made in Furano 事務局]
〜富良野の厳しい気候が育む「幻のいちご」と「真っ赤なルバーブ」。素材の個性を一瓶に閉じ込める、真摯なジャムづくり〜

メイドインフラノ認定商品に、新しく仲間入りした
「halu CAFE」の『露地いちご けんたろう』と『RHUBARB(ルバーブ) 』。
前回のインタビューから実に8年ぶりとなる今回は、ご自宅の畑で素材と真摯に向き合い、一瓶一瓶に情熱を注ぐ作り手のご夫婦に、こだわりのストーリーを伺いました。
1. 2週間しか出会えない「幻の路地いちご・けんたろう」の生命力をジャムに
ーー 今回、新しく認定された『露地いちご けんたろう』ですが、数あるいちごの品種の中から、なぜこの「けんたろう」を選ばれたのでしょうか?
宮本さん(ご主人):
「けんたろう」は路地栽培のいちごなのですが、手間がかかるためか最近はあまり作られなくなってしまった、非常に希少な品種なんです。収穫できる期間も、6月中旬からのわずか2週間ほどしかありません。
一般的に流通しているハウス栽培のいちごに比べて、糖度が高く、なにより「いちご本来の野生的な風味」が驚くほど強いのが特徴です。「この素晴らしい風味をそのままジャムに閉じ込めたい!」と思ったのがすべての始まりでした。

ーー市場には滅多に出回らない品種ですが、どのようにして仕入れているのですか?
宮本さん(ご主人):
幸運なことに、地元のいちご生産者さんと直接お取引をさせていただける繋がりができたんです。お互いの顔が見える信頼関係があるからこそ仕入れることができている、本当に貴重な出会いですね。
2. 天候をダイレクトに受ける路地栽培、美味しさを保つ「冷凍ブレンド」の技術
ーー ハウス栽培と異なり、路地栽培ならではの苦労も多そうですね。
宮本さん(奥様):
そうなんです。ハウスと違って雨が直接当たりますし、風が吹けば泥はねもします。いちごの肌が傷つきやすいため、本当にデリケートで目が離せません。
宮本さん(ご主人):
天候の影響を100%ダイレクトに受けるのが路地栽培の宿命ですね。今年などはゴールデンウィークの真っ最中に雪が降るなど、毎年のように気候のアップダウンにハラハラさせられます。
しかし、その厳しい環境を乗り越えて良い条件が揃ったときの「けんたろう」は、他には代えがたい圧倒的な美味しさになります。形やサイズは不揃いでも、味の力強さはピカイチ。ジャムの加工用としては最高の素材です。
ーー 毎年、安定した美味しさをお客様に届けるために工夫されていることはありますか?
宮本さん(ご主人):
2週間という短い収穫期間の中でも、実は初期と後半でいちごの糖度や酸味のバランスが変わってきます。
そこで、収穫した順にすべて洗ってカットし、すぐに真空冷凍保存します。その際、パックごとに収穫日やデータを細かく記録しておきます。そしてジャムを炊く段階で、「初期のロット」と「後半のロット」を絶妙な比率でブレンドすることで、常にばらつきのない最高のバランスに仕上げてられるように心を配っています。



ーー まさにデータと職人技の融合ですね!
ジャムのおすすめの食べ方を教えてください。
宮本さん(ご主人):
やはりシンプルに、朝食のトーストにたっぷりのせたり、プレーンヨーグルトに混ぜていただくのが一番「けんたろう」の風味をダイレクトに感じられておすすめです。
宮本さん(奥様):
あとは、皆さんのお好きなように、自由においしく楽しんでいただけたらそれが一番嬉しいですね(笑)。
3. 自宅の畑から手探りで届ける、美しい「真っ赤なルバーブ」
ーー もうひとつの認定商品『RHUBARB(ルバーブ) 』ですが、ルバーブとはどのような植物なのでしょうか?
宮本さん(ご主人):
ルバーブはシベリアなどの寒冷地が原産で、和名では「西洋フキ」とも呼ばれています。信州などでよく栽培されていますが、日本のフキと大きく異なるのは、煮ると繊維がほとんど残らず、トロトロに溶けてしまう点です。
うちでは最も柔らかく風味が良い、5月中旬の早い時期に収穫したものだけを使用しています。


ーー 瓶を開けた瞬間に目を引く、とても鮮やかで綺麗な赤色ですね。
宮本さん(ご主人):
ありがとうございます。実はその「色」に一番こだわっていて、ルバーブには緑色のものや、皮だけが赤いものなど色々あるのですが、うちでは「茎の中まで真っ赤なルバーブ」を自宅の畑で手探りで育てています。
皮だけが赤いものだと、煮たときに色がくすんで茶色っぽくなってしまうんです。せっかくなら一瓶あけたときに、ぱっと華やかになる美しい赤色を届けたい。そのために、土壌を酸性にするピートモスを混ぜたり、栄養の与え方を工夫したりして、美しい赤色が出る「株」を大切に株分けしながら育てています。
ーー 苗選びや育て方にも紆余曲折があったとか。
宮本さん(奥様):
そうなんです。市販の小さな苗で、赤みがあるものを「やった!」と思って買ってきても、育ててみたら綺麗な緑色に育ってしまって、がっかりしたこともありました(笑)。
ルバーブは、すでに赤く育っている親株から「株分け」して根気強く増やしていくのが、美しい赤色を保つ一番の近道なんです。
ーー こちらのジャムは、どのように楽しむのがおすすめですか?
宮本さん(ご主人):
ヨーグルトはもちろん、お肉料理のソースとして添えていただくのも絶品です。また、タルトやマフィンなどのお菓子作りに使っていただくと、焼き上がりに綺麗な赤色が映えてとても華やかになりますよ。

4. これからの展望、そしてメイドインフラノへの想い
ーー 今後の新しい挑戦や、これからの商品づくりへの想いをお聞かせください。
宮本さん(ご主人):
富良野の豊かな恵みを使って、新しい商品へのアイデアは常に膨らんでいます。しかし、ジャムは「保存食品」ですので、何よりも食の安全性が最優先です。しっかりとした検査を行い、自信を持ってお客様に届けられるものだけを、これからも丁寧に形にしていきたいと思っています。
ーー 先日の認定授与式では、市長をはじめ多くの皆さんが絶賛されていましたね。
宮本さん(ご主人):
本当にありがたい機会でした。今回はただ商品を並べるだけでなく、実際にその場で食感を試していただけるよう、パンを用意して試食していただいたんです。市長や関係者から直接「美味しい!」という声をいただき、光栄でした。
これからも、富良野の豊かな自然と厳しい気候が育む本物の美味しさを、提供する一つひとつに込めて届けていきたいですね。
